北京大学とアリババグループのダモアカデミーの研究チームが、人工知能を用いて中国全土の風力発電と太陽光発電の設備を網羅的に特定し、それらを統合システムとして運用するための解析枠組みを構築した。研究成果は今週、科学誌ネイチャーに発表された。これは一国全体の再生可能エネルギーインフラをAIで高解像度にマッピングした世界初の取り組みとなる。
研究チームは、サブメートル級の衛星画像を学習したディープラーニングモデルを用い、約7.56テラバイトの画像データを処理した。その結果、中国全土で31万9972カ所の太陽光発電施設と9万1609基の風力タービンを特定することに成功した。これまで太陽光と風力の発電変動を相互補完する関係性の研究は、仮想的な導入シナリオに基づくものがほとんどだった。
今回の研究では、実際の設備配置に基づき、太陽光と風力の補完性が発電変動を大幅に低減することを実証した。特に、連携する施設間の地理的距離が広がるほど、出力の安定性が高まることが確認された。雲が太陽光発電所を覆う場合でも、遠く離れた風力発電所が発電を補うことで、系統全体としてのバランスが維持できる仕組みだ。
この成果は、世界のエネルギー政策やデータセンター事業者に直接的な影響を及ぼす。国際エネルギー機関は、世界のデータセンター電力消費がこの10年以内に約1000テラワット時に達すると予測している。米国では主要な系統運用者であるPJMの容量市場価格が2年で10倍以上に上昇し、欧州でも送電網の増強が急務となっている。中国の手法は、再生可能エネルギーの統合管理に課題を抱える各国にとって重要な参照点となる。
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