NBAのアダム・シルバーコミッショナーは、アウトオブバウンズなどの特定の審判判定を自動化するシステムを導入する計画を明らかにした。このシステムはコート周辺に設置されたカメラとAIを活用し、ボールの所有権を瞬時に判断する。シルバー氏はこのアプローチを、テニスのライン判定で使用されているホークアイ技術に類似したものと説明した。NBAは以前からソニーのホークアイイノベーションズと協力し、2023年には3D光学追跡技術を導入する複数年契約を発表。サマーリーグやNBAアリーナでの数年にわたるテストを経て、同技術がサブ秒の遅延でボールと選手の動きを三次元追跡できるとしている。
今回の発表の背景には、ウェスタンカンファレンス決勝第5戦で起きた判定問題がある。劇的な展開となった同試合で、スパーズのビクター・ウェンバンヤマがアウトオブバウンズで最後にボールに触れたと判定され、その後のリプレーではサンダーのチェット・ホルムグレンの足に当たっていたことが判明。この判定がレギュレーション通りに覆らず試合結果に影響したため、審判の判定精度が改めて注目された。NBAはこのような客観的な判定カテゴリーをコート上の審判から徐々に引き離す方針だ。
このAI判定システムの導入は、NBAの試合運営に大きな変革をもたらす。まず、アウトオブバウンズやゴールテンディングといった明確な基準を持つ判定が自動化されることで、誤審のリスクが低減される。テニスの電子ライン判定やFIFAの半自動オフサイド技術、MLBが2026年に導入予定の自動ストライク判定システムなど、他競技でも同様の動きが加速している。NBAは公正な試合運営を求めるファンやチーム関係者からの信頼回復を図る一方、審判の負担軽減や試合のスピード向上にも貢献する。
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